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サントリー美術館
サントリー美術館
東京都港区赤坂9-7-4 :六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階
「東京ミッドタウン」 21世紀の日本を代表する街、世界に類を見ない独創的な街が誕生しました。


琳派の真打、其一登場

鈴木其一 江戸琳派の旗手 展

SUZUKI KIITSU : STANDARD - BEARER OF THE EDO RIMPA SCHOOL

江戸の画壇を豊かに彩った其一画の魅力とその展開を存分に堪能する!

 鈴木其一 (1796~1858) は,、琳派様式を江戸で再興した酒井抱一 (1761~1828) の最も優れた弟子として知られています。 その画風は琳派の華麗な伝統を継承しながらも、鮮やかな色彩対比や、ゆたかなデザイン性など、現代にも通じる斬新さにあふれており、近年特に注目を集めている存在です。 本展は、《 朝顔図屏風 》 (アメリカ・メトロポリタン美術館) など国内外から其一の代表作品がかってない規模で一堂に揃う展覧会であり、その知られざる画業の全貌に迫る貴重な機会となります。

 琳派は、江戸初期の本阿弥光悦や俵屋宗達、江戸中期頃に活躍した尾形光琳、尾形乾山らにより京都で確立されました。 光琳の活躍期の約 100 年後に、江戸の地で琳派の再興を図ったのが酒井抱一 (1761~1828) です。 若くして抱一に入門した其一は、早々と頭角を現し、信任を得ました。
 文政 11 年(1828)、其一 33 歳の時に抱一が没して以降は、一門の中でも圧倒的な存在感を示し、その作風は次第に師風を超え、幕末期にかけて大きく変容を遂げます。 抱一の実質的な後継者としての自負、光琳に連なる琳派画家としての誇り、さらに酒井家家臣という立場が上質で機知に富む画風を育み、多くの其一画が大名家や豪商の厚い支持を得ました。


会期: 2016 9/10(土)~ 10/30(日) 展覧会は終了しました。
※作品保護のため、会期中展示替えを行います。
休館日:毎週火曜日
開館時間:10時~18時 (金、土は 20時まで開館)
※いずれも入館は閉館30分前まで ※shop x cafe は会期中無休

会場:サントリー美術館 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階

巡回先 【兵庫会場】 会期: 2016 11/12~ 12/25 姫路市立美術館
主催:姫路市立美術館 読売新聞社 協賛:光村印刷

巡回先 【京都会場】 会期: 2016 1/3~ 2/19 細見美術館
主催:細見美術館 読売新聞社 協賛:光村印刷



'2016 9_9 「鈴木其一 江戸琳派の旗手」 展のプレス内覧会の会場風景です。
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

「鈴木其一 江戸琳派の旗手」展

鈴木其一 江戸琳派の旗手」展
プレス内覧会 & プレス説明会
サントリー美術館 '2016 9_9


江戸琳派の存続に大きく貢献した 其一の生涯と画風の変遷 をお楽しみください


「展示構成」
本展覧会 「鈴木其一 江戸琳派の旗手」展 図録、「News Release No. sma0020」 「Newsletter vol.262」 より参考、抜粋文して掲載しています。

「展示構成」 
序 章 胎動 ~江戸琳派の始まり~
第1章 誕生 ~抱一門下の秀才~
第2章 躍動 ~其一様式の確立~
第3章 挑戦 ~絢爛たる軌跡~
第4章 継承 ~其一派と江戸琳派の展開~
 本展では抱一画風を習得する門弟時代、躍動感溢れる作風を次々と手掛けた壮年期、息子・守一に家督を譲った晩年と、其一の生涯と画風の変遷を丁寧に追います。
 ※ 日本での公開は 12 年ぶりとなる 《朝顔図屏風》 (アメリカ・メトロポリタン美術館) は東京会場のみで全期間展示されます。


・ 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

鈴木其一《群鶴図屏風》

第1章 誕生 ~抱一門下の秀才~
 其一は寛政 8 年(1796)、江戸中橋の紫染の職人の家に誕生したと言われています。 文化 10 年 (1813)、数え年18 歳で抱一に入門。 4 年後に兄弟弟子で酒井家の家臣の鈴木蠣潭の急死を受け、その姉と結婚して鈴木家の家督を継ぎます。 当時、抱一の隠居所 「雨華庵」 には画塾として多くの弟子が集っていましたが、其一は早くから師・抱一の厚い信頼を得、重要な仕事を任されたり、また師弟の合作もたびたび行なわれ、まさしく一番弟子として最も抱一に近い存在でした。

左・32 鈴木其一 《群鶴図屏風》 二曲一双 紙本金地着色 各 164.8 x 175.0cm 江戸時代後期 ファインバーグ・コレクション
【右・20 鈴木其一 《青楓に小禽図》 一幅 絹本淡彩 88.1 x 32.1cm 江戸時代後期 個人蔵】

 ・32 其一が抱一に師事した期間の初期作品は、抱一譲りの伸びやかで美しい花鳥図はもとより、幅広い画題を手掛けていたことなどがうかがわれます。 本作は師抱一にも作例が残り、琳派の中でも特に愛好された画題で、鶴が整然と並ぶ構図をとり、光琳からの伝統を継承したものとなっている。 「図録、作品解説 p274 を参考」



鈴木其一《富士千鳥筑波白鷺図屏風》

第3章 挑戦 ~絢爛たる軌跡~
 其一は 40 代の後半には家督を長男の守一 (1823~1889) に譲り、この頃からさらに多様な作風へ挑戦し続けていきます。 《朝顔図屏風》 (メトロポリタン美術館) をはじめとして、鮮麗な色彩で見る者を圧倒する作品を手がける一方、写実性の追求にも挑んでいます。
 安政 5 年(1858) 9 月 10日、其一は 63 歳で生涯の幕を閉じます。 大名家や豪商に愛され、思いのままに筆を揮った晩年。 幕末に向かう動乱の江戸で、其一の活躍は最後まで絢爛な軌跡を描き、人々を魅了し続けました。

左・105 鈴木其一 《富士千鳥筑波白鷺図屏風》 二曲一双 紙本金地着色・紙本銀地着色 各 147.8 x 176.0cm 明治時代後期
個人蔵
【右・67 鈴木其一 《朝顔図屏風》 部分 六曲一双 紙本金地着色 各178.2 x 379.8cm 江戸時代後期 メトロポリタン美術館】

 ・105 富士に千鳥を金箔地に、筑波に白鷺を銀箔地のそれぞれ二曲屏風に描く、富士と筑波は江戸の東西に臨む山として人々の信仰を集めた。 光琳にも富士山を描く作例はあるが、江戸琳派ではさらに筑波と組み合わせた図様も多い。 其一は金と銀、動と静、濃彩と水墨、大小の鳥とを巧みに対比させた。 二曲屏風ながら堂々たる 「江戸」 の琳派を象徴する制作である。 「図録、作品解説 p293 を参考」



鈴木其一 「年譜」 (図録 「鈴木其一」 ・関連年表 P326~p329 ・図録 p9 などから参考、抜粋文です。)

・寛政 8 年(1796)  1 歳 4月 江戸中橋に生まれる。 父は近江出身の紫染の職人という。( 一説に武士階級出身という。)
・文化 10 年(1813) 18 歳 酒井抱一の内弟子となる。
・文化 14 年(1817) 22 歳 鈴木蠣潭の没後、抱一の媒介で蠣潭の姉りよ (一説に妹) と結婚。 鈴木家の養子となって後を嗣ぎ、酒井家の家臣となる。 抱一の付き人となり、下谷金杉石川屋敷に住む。
・文政 11 年(1828) 33 歳 抱一、雨華庵にて没(享年 68 歳)。 この年までに《文読む遊女図》(作品 24 )、《源三位頼政図》(作品 25 )、《柳図扇》(作品 28 ) 制作。いずれも抱一の着賛有り。
・天保 12 年(1841) 46 歳 酒井鷺蒲没(享年 34 歳)。 「迦陵頻図絵馬」(作品 190 )が、新吉原江戸町の妓楼佐野槌屋より、浅草寺へ奉納される。
・安政元年 (1854) 59歳 「毘沙門天像」(作品 156 )制作。 「四季花鳥図屏風」(作品 68 )制作。 「三宝に愛印図」(シカゴ美術館)制作。 「紙雛に枝垂れ桜図」(個人蔵)制作。
・安政 5 年(1858) 63 歳 鈴木其一、コレラのため没(享年 63 歳)。 浅草松葉町正法寺 (現中野区沼袋) に葬られる。

 「其一画風の特徴」 其一は抱一の弟子として修業を積んだが、師の築いた江戸琳派の画風を守るにとどまらず、さまざまな画風・画題に挑んでいる。 同時代の江戸の画壇には、同世代に広重や歌川国芳 (1797~1861) がおり、少し年上には歌川豊国 (三代・1786~1864) の存在もいた。 抱一と同世代ながら長寿であった葛飾北斎 (1706~1849)、谷文晁 (1763~1840) の存在も大きかったと思われる。 其一の画風の特徴として、第一に挙げられるのは光琳画からの引用と応用である。 琳派で描き継がれてきた画題を選択しながら、その枠組みに全くとらわれず、むしろ北斎や円山派など同時代の傾向も取り入れて、新たな其一画風を構築しているのである。


お問合せTel:03-3479-8600
サントリー美術館公式サイト:http://suntory.jp/SMA/
主催=
サントリー美術館、読売新聞社
協賛=三井不動産、光村印刷、サントリーホールディングス
サントリーホールディングス株式会社は公益社団法人サントリー芸術財団のすべての活動を応援しています。


参考資料:「鈴木其一」展 図録、NEWS RELEASE No.sma0020、Newsletter vol.262、他
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